さて、実際のケースの続編です。
前回のお話では、上勝の事例を通じて
+++++++++++++++++++
成功が弱点になる=長所が弱点になる
+++++++++++++++++++
というお話をさせてもらいました。
これはどんな企業でも同じで、成功なんて周りから
言われた矢先から崩壊していくのが「成功というもの」で、
いつまでも最盛期は続きません。
まちおこしにおいても、企業や製品のライフサイクルと同じで、
++++++++++++++++++
導入期→成長期→成熟期→衰退期
++++++++++++++++++
があるはずです。
上勝は、このライフサイクルを30年かけて
左から右へ動いている最中で、現在のポジションは
もう一度導入期を引き起こすトリガーを複数用意して
いる時期だと思います。
その次の上勝町の弱点は何か、そこに焦点をあてて
みて考えてみました。それが強みに生まれ変わるからです。
すると、見えてきたのは「使われていないもの」
です。
上勝町で上手に利活用されていないものに、
①町有施設などの空き物件
②空き屋
③キャンプ場
④ダム湖
⑤耕作放棄地
⑥林
などなど、たくさんあることに気がつき始めます。
さらにいえば、
⑦コンビニ,スーパーがない
⑧塾がない ・・とないものづくしでした。
これらは非常にリノベーションしやすいものです。
というのは、町おこしでトラブルになるのは、
「利益があるもの」です。
この利益があるものは、すでに誰かの
「所有物」もので有る場合が多いです。
このことを
++++++
既得権益。
++++++
といいます。
これこそが、田舎を堕落させている大元凶です。
ですので、豊かな自然や豊かな産業をもっている
ところほど、この既得権益が地域の衰退を招きます。
先進地以外がなぜ町おこしに成功しないのかと言えば、
この既得権益がまだまだおいしく残っているから動かない
し、危機感もなくなるのです。
とすれば、
+++++++++++++++++++++
町おこしの基本は、「使われていないもの」から
始まるといってもよいです。
+++++++++++++++++++++
*特に移住者が行うまちおこしについては。
さあ、ここからが大事なところです。
使われていない物=捨てられたものは、
「利益無し」と思われているから捨てられて
いるので、だれとも競合しません。
競合しないと言うことは、
「好きなようにリノベーションできる」ということです。
この自由に町おこしに使える素材を見つけること。
これが実は町おこしに燃える人が、一生懸命に
地域に入って捜そうとしている「町おこしのタネ」になるのです。
これらのなかで、町内消費でまかなえるビジネスと
町外消費でもまかなえるビジネスに2分類し、後者のみを
手がけるようにします。
当たり前の話しですが、町内を見て商売しても、
人口が減っているのでじり貧になるのは目に見えています。
ですから、観光型ビジネスや貿易型ビジネスのように
外の消費地とやりとりするビジネスでなければ、うまくは
行かないということです。
では、弱点から始める町おこしの戦略とは
どうなっているのか。
この後は・・・・
<続く>