COMPANY カンパニー

弊社は、地域再生を目的とした会社です。

いま、日本は、人類始まって以来の、右肩下がりに人口が減っていく「人口減少社会」になっています。2050年までには、いまより3300万人減少し、その減少する自治体は、過疎の自治体です。

弊社は、人口減少社会が悪とは思っていません。

歴史を振り返ってみても「人口が増えすぎた」のが現在なわけで、国土面積の3割しか平地がないところに密集してきたのが、近代以降の歴史でした。
2050年は明治期の人口に戻り、利用可能な土地が増えるわけですから、農業の高度集約化、中規模農業化や、コンパクトシティ化、電力消費の低減など、より住みやすく生産性の高い日本に生まれ変わる可能性があります。

問題は、過剰人口に合わせることによって産まれた、これまでの「過剰資産」です。例えば、空き屋です。弊社がある上勝町でも約200軒もの空き家が有り、8割がすでに「使用がむずかしい」状況だと言われています。地方都市でも多くの空き家が目立つようになってきました。

このような状況のなかで、過剰資産を有効にリノベーションし、新たな人口減少社会の「街づくり」(社会をデザインする)していくのが、弊社のミッションです。

弊社の名前は、「社会をデザインする」を意味する「ソーシャルデザイン」(昨今使用されている用語である)ではなく、socio designソシオデザイン(ソシオ+デザイン)と命名しております。
Socioとは、社会そのものを指す意味ですが、語源として、同盟や友、調停者の意味を冠する接頭語でもあります。またスペインでは、サポーターである会員が営むサッカークラブのことを指します。
こういったスペインの自律的な組織であるSocioをモチーフに、弊社も自律的で、熱い思いをもって街作りに推進する会社であろうという願いで命名しました。

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消滅自治体と言われる過疎の街が多く存在する四国・上勝町で、弊社は活動を行っています。上勝町は、高齢者の人々が葉っぱを採取し、妻物として全国に出荷する「葉っぱの町」です。
人口約1600人(2017年6月現在)。葉っぱの町として成功した上勝町でさえ、人口減少に苦しんでおります。
我々は、上勝町で、起業家を育成することで、過疎の問題である雇用と後継者育成に取り組んでいます。2012年から上勝町役場と二人三脚で、起業家育成に取り組んでいます。

しかし、弊社はよく皆様に質問されることがあります。
「過疎地で起業家など育てることはできるのだろうか?」
弊社はこの過疎の奥地にこそ、起業家の歴史を感じています。この山間の奥地に、数百年前に入植し、開墾し、狭い土地さえも棚田に利用し、家を建てた、「名もなき農業ベンチャー」の歴史が、過疎地には埋まっていると思うのです。
だれだって、平地で家を持ちたかったと思うのです。しかし、容易に土地を持てない中世以降に、条件不利地でも気にせずに、丘陵地でも生きていけるようにアイデアを出して作り上げた、名もなき農民の生き様が、急峻地の家や棚田に見事に体現されています。
私どもが最初に試みた取り組みである模擬起業店舗シェアカフェの古民家は、350年前の江戸時代初期(1650年頃)に入植したA家をお借りしました。私たちがここをスタート地点にしたのも、この過疎地のベンチャースピリットを継承したいとの思いから始めたものです。2012年以降、我々が取り組んでいる徳島県上勝町では、30近い事業が新たに生まれました。

過疎だからできること、条件不利地だからこそできること。

弊社は、この過疎に生きてきた「名もなきベンチャースピリットを継承する会社」であろうと思っています。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

地域再生コンサルタント 大西正泰