雑感「過疎地でメシを食う方法」
いま、講義のなかみ作りで、「過疎をどうするのか」を考えています。
自分も過疎加速ブースターを取り付けた故郷で住んでいますのでリアリティすぎる中身です。まだ自分の住んでいるエリアは、3万人程度住んでいますが、隣の山にはいれば、限界集落ばかり。以下はぶっちゃけた内容となります。ご容赦のほどを。
まず人口減少ですが、基本的には、日本列島の過密からいえば、1億人をきってもまだ多いぐらい。だから、減ってもいい。そこは移民政策をしないかぎり、も う無理。出産に30万もかかり、子どもを一人そだてるのに1000万ぐらいかかるといわれているこのご時世。そうそう若い人が子育てを2人以上できようも ありません。
問題は、高齢者比率が高すぎるのと、過疎。話題のコンパクトシティ論では、結局過疎の放棄をしていくことがインフラコストを下げることにつながるというこ とにならざるを得ないと思うのですが、「放棄された過疎地はどうするのか」。もう過疎ってもイイじゃない、と割り切ればよし。過疎集落が無人になっても困 る人は少数なので、多数決で切り捨て可能。政治的無策を貫けば、みんなシニユク。墓参りもそんなにこないだろう。
となると、残るは、「無人化していく過疎の土地をどう再利用するか」。
ここにメリットを見出さないと、市町村合併をやってゆるーくコンパクトシティ化しているご時世では、ここに勝機と商機を見出すしかない。過疎地の再利用という新産業。国土の7割が山地。国土利用の観点からも、過疎地の再利用は、日本各地でアイデアが使えるはず。
が、ぶっちゃけていえば、「便利な過疎地」と、「圧倒的に不便な過疎地」に分けられる。
山でみていくと、例えば、葉っぱで有名な上勝町も山奥のイメージですが、25万人住む徳島市内とは車で40分程度。しかし、のりや紅茶や栗で有名な四万十は、大都市圏から離れた高知市から、さらに2時間以上かかる場所にあります。同じ山で成功している事例でも、かなり違う。
次に島。大都市圏に近い「島」の過疎は、まだ悩みが少ない。例えば淡路島(笑)。同じ島でも、でかいと忘れがち。失業率の高い沖縄と比べても、大都市圏に近いからこそ、メリットが多くあるのは自明。また、同じ「島」でも空港施設をもつ「島」とそうでない島では大きく異なる。
こういうふうに見て行くと、実は外部環境として有利な過疎地と不利な過疎地も別れるのだ。
自分のようなコンサルタント(笑)がいいそうな、ネット通販や観光という解決手段も、上の条件が変われば、実は「地産外消しやすい過疎地」と不利なところ もある。以前島の仕掛けを手伝っていた与論島では、ネット通販の送料が高くつきすぎて、名産のドラゴンフルーツも売れない。ほかのも一緒。送料がかかりす ぎて、戦える値段に落ちない。じゃあ、赤土で農業にもそれほど向いていない熱帯の土地で付加価値型の農業は難しい。じゃあ・・・というロジックの繰り返し。なかなか過疎地でメシを食うのは大変なのだ。悩まされてます(笑)
「過疎地でメシを食う方法」というのが非常に難しい。スケールメリットを使ってのコストダウンができない以上、全てにおいて、付加価値が要求される。いま、これが講義のネタの中核で、じつにシンドイ。けど、おもしろく考えたい問い。この解答が見出せれると、「過疎解決コンサルタント」とでもなのろうかしらん(笑)