<6月末から8月までの土日で計画したい^^(3)>
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(2)エリア 神山町・上勝町(中山間地域型)
コンテンツ 「文化生態系と産業生態系」
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これはいつもやっているものですが、中山間地域における街づくりの2トップのエリアですが、全く異なるアプローチで積み上げられてきたのが、この2箇所のエリアです。この2つのエリアは、ともに、40以上の大小の起業創造が起きた場所ですが、全く性格を異にしています。
少し説明すると、街づくりがうまくいっているところというのは、基本、何らかの生態系モデル(バリューチェーン)を踏襲しています。
例えば、岡山県西粟倉村は、林業を起点とした事業連関をベースに、次々と事業生態系を作り上げています。企業創造の基軸となっている森の学校・エーゼロ社の名前の通り、まさに起業を生み出す土壌となる「マザー企業」が生態系を生み出す起点になっています。間伐材の箸を作る会社から、建築、温泉、家具、養殖などなど、全てが何らかの事業連関をなしています。
こういった意味では、上勝町も同じで、自然関係資本である「葉っぱビジネス」を軸に、これまでの柑橘事業の農家さんを妻もの用栽培の農家さんへと、JAが作り上げていた事業生態系の書き換えを行なったものと言えます。そこから、視察では温泉やキャンプ場、周辺の飲食店なども含めた、事業連関生態系が出来上がっています。こういった事業連関が一つの生態系を作ることで、起業が生まれやすくなる仕組みができています。ある意味、ジグソーパズルの穴埋めをしていくような形で、事業を作り上げていけばいいわけです。
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神山は、上2つと異なります。
この土壌作りを「文化」に置いています。街づくりの起点になっていたのが(詳細はお調べください)、青い目のアリス人形をアメリカに返却する国際事業、アドプトプログラム、アートインレジデンスなどなど。全て、プロジェクトを通じて人をつなげ、街づくりの母体となる「人の生態系」をまず作り上げていったところに大きな特徴があります。
人の生態系から生まれた神山の面白さは、「偶然性の高さ」にあります。つまり、何が起きるかは予想がつかない点です。
僕が最初に神山に出入りしていた頃にはサテライトオフィスなどは全くなく、いまのようなものが生まれる「感触」さえありませんでした。
ところが、いまではサテライトオフィスで20社以上の会社がやってきて、神山塾という学ぶ場を通じて、飲食店、コーヒー焙煎、宿、文房具、クラフトビールやら、とにかく多様です。つまり、人の生態系ができているから、どんなピースを持ってきても、それなりに生まれてくる柔軟性があります。これが神山の最大の強みでもあり、「神山つなぐ公社」といった、事業と人をつないでいく会社まであります。
そういった意味で、生態系の生まれ方が異なる上勝や神山では、おのずと「街づくりの基本設計」が異なります。
これらの「生態系」を感じてもらうには、それぞれの中身を見てもらう、感じてもらうのが一番手っ取り早いかと思います。
これらのコンテンツを基に、じっくりと感じてもらえるのが良いのかなと思っています。
〜続く〜