地域再生の実践講座3~どこから手をつける?~

地域を元気にする理由は、講演で聴くとして笑、
「どっから手がけるか」です。

これは分析から入る人や、やってみなきゃわからない、
直感で行く人などに別れると思いますが、やっちゃいけない
手がけ方というのがあります。

それは
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地域に入ろうとする
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ことです。

やみくもに地域に入ろうとして、祭、飲み会に参加したり、
体育活動やったり、いろんなことをやる人がいますが、
それは、非常に危険な行為だとボクは思っています。

というのも、やみくもに入ってもうまくいく人は
「田舎の本質を知っている」か、「コミュニケーション上手」
のどちらかで、地域に入り込む武器を持っている人だけが
許される手法です。

ボクは、この上の2種類の武器を持っている人でさえも、
いきなり地域に入ることは、お薦めしていません。
地域に入るというのは、時間をかけて行うべき
ものだからです。

というのも、地域の取り込む力(ルール)というのは、
圧倒的に移住者には「正義」として映るので、新たなことが
しにくくなります。

そして、あえて優先順位をつけるならば、
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地域再生は、地域の人と仲良くすることとは、
必ずしもイコールではない
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ということです。

地域に入るとは、地域のルールになじむこと。

地域の人と同じ行動をすることを指します。

これでは、地域再生の糸口を新たに生み出すことは
できません。

仲良くなるのが最優先ではないでしょう。

自分以外の人はどんどん仲良くなってもいい
んです。町おこしの主体者であり、意思決定者ならば
そのことを胸に刻まなければ成りません。

町おこしで大事なのは、仲良くなることより
価値観の違いによる「摩擦」「違和感」などなど。
そういった一般的にはマイナスといわれている感情こそが、
地域再生の糸口になります。

地域に入るというのは、もっとも時間をかけ、ゆっくりと
育てて行くもので、移住者が先住者に媚びたり、逆に
移住者をお客様扱いすることではないのです。

互いが遠慮したり、媚びたりする関係というのは
どんな関係においても、よくにはならないのです。

先住者側も、「移住者をいつお客様から隣人に
昇格させるべきなのか」、ということについては、非常に
神経質になるところです。

ですので、この地域の入り方の「手触り感」が
なんとなくわかるまでは、何でもかんでも地域のことを
やるというのは、かなり高度なことだということを
理解して貰いたいのです。

*それを高度なことだと思わずに、これが地域再生の
糸口だと言わんばかりに、あっちゃこっちゃの集落に
でかけ、できもしないのに「やります」「できます」
といって、結果的に地域に迷惑をかける事例には
ことかきません。
地域に入るというのは、恋愛と同じで、時間をかけて
つみあげていくもので、一目惚れのようにはなかなか
いかないものだというふうにご理解ください。

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もう一つ、やっちゃいけないことがあります。

それは、地域の「いいところ探し」です。
地域のいいところって、誰が見たって、

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人情・自然・食べ物
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この3つしかないんです。

この3つがいい田舎は腐るほどあるんです。

そして、すでにこの3つの観点でいい場所は
「観光化できている強者の田舎」なわけです。
それよりも重要なポイントは、「弱点」です。

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マイナス目線こそが、地域再生の切り札です。
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徳島で言えば、上勝も神山もそう、なんにもないから
こそ、新しいことにリソースをさくことができるんです。
例えば、
・上勝の土地が肥沃であれば葉っぱビジネスは
産まれたか?
・神山の林業が盛んであったならば、サテライト
オフィスはできただろうか?

ぼくはすべてにノーと答えをいいたい。

なんにもないからこそ、アイデアを絞らざるを得なかった
「土壌」こそが、地域再生の「真の核」になるのです。
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逆に、地域再生において、「豊かさは敵」です。
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豊かな自然や豊かな観光資源をもったいる裕福な町
からは地域再生のアイデアはでてきません。
例えば、88カ所参りでお遍路で賑わっている寺社エリア。

ここからユニークなアイデアがでてきたでしょうか?

弘法大師のビジネススタイルそのままではないでしょうか。

初期の頃や、中興の祖たちは、お遍路の解釈を通じ
「スタンプラリー化」や「逆さうち」、お遍路グッズなど
考案したんでしょうが、現在のお遍路に、弘法大師の
ビジネスモデルに迫ろうとする宗教関係者に出会ったことも
聞いたこともありません。

つまり、お遍路という豊かさが、逆に、寺社の
クリエイティビティを阻害する最大要因となっているのです。
さて、これまでのことをまとめると、

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1)地域に入るな
2)弱点を捜せ
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というのがボクの進める地域再生のポイントです。

<続く>

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