20年近く前の大学院時代によみふけった法哲学。
長尾龍一、井上達夫。この二人の本には大変影響を受けた。
特に井上氏の『共生の作法』。
この本は今読んでもおもしろい。
正義や公正といった、社会の基礎となるルールに
どれだけの多くの歴史の重みや営みがあるのか、
とってもおもしろい。
例えば、帝国主義で手に入れた領土を持つA国と、
帝国主義で奪われ小さくなった領土を持つB国。
仮に、この状態で、いまB国がA国に攻め入ったとして
国土を復帰させるのは正義かいなか。
ただの侵略、野蛮な行為でB国をさばけるのか。
こんなケースが次々と出てくる。
井上氏は、9条削除論者であるが、このロジックも
読めば読むほどおもしろく、単なる保守でも、なんでもない。
リベラルであるがゆえに9条を削除したほうがすっきりするという
ロジック。
丁寧にこの本も読んでほしい。
大変おもしろい本です。
リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください--井上達夫の法哲学入門