読後1 「21世紀の民俗学」

読後

台風のため久しぶりに読書楽しめました。
「21世紀の民俗学」は、前半が特に面白かった。かつての民俗学(20世紀の民俗学と作者は言う)が日本人の行動様式を丹念に探り、事件や政治など、特異点に着目するのでなく、普通の生活の中にある「何か」を探る学問であるがゆえに、地味だったと。そして普通を探るゆえに、また、グローバルになつていくなかで日本人だけの行動様式が薄まっていく過程で、どうしても21世紀になって、何を対象として探って行けば日本人の行動様式に迫れるのだろうかという想いから書かれた本です。興味深かったのは、写真についての変遷。お祝い事や753などの記念日しか写真がとられなかった「ハレの日」のための、そして家族や自分の歴史を残していくためだった写真が、記念日でもなくお祝い事でもなく、日常のありとあらゆる場面でとられるように変わってきたことを自撮り棒等を例に語られている所など、面白かったです。インスタグラムとか見るに、言語中心的なフェイスブックやツイッターと違い、写真や動画がメインでコミュニケーションが広がっていくのも面白い現象です。

読後2 「数学する身体」

読後2
「数学する身体」。
究極に無駄を省いた言語である数学。数字の仕組みやその成り立ち。ギリシャで生まれた対話のための「証明」の誕生等々。究極に無駄を省かれたはずの数字や数学の中にある、生の営みというか、昔の人々の想いが巻き付いていることに非常に「人間性」を感じました。
ともすると、数学の世界は、定理や数式などを考えていくなかで新たな問いかけが生まれ、独立した「世界」にも見えるし、数学世界のなかだけでも完結できるだけの「世界」を構築しているにも関わらず、営みとしては対話を要求する(誰にでもわかる共通用語だから)構造が内在化している。数学はコミュニケーションの道具である、外に開かれたものであることが非常に伝わってきます。

<読後3「あわいの時代の論語」>

読後3
「あわいの時代の論語」

世界をどのように見ていくのかというか問いかけをきちんとやった人びとに仏陀、プラトンやアリストテレス等々の天才たちがいる。仏陀は、世界の仕組みと幸福の関係性を科学的思考(原因と結果に基づいて構築する)によって明らかにしようとした人であるし、プラトンは宗教が確立した「あの世とこの世」の2つに世界を分けることで認識を深めようとしたし、天才の問いかけは時間を越えて引き継がれる。この本で紹介される孔子も、争いがなくならないのはなぜかという問いに真摯に向き合った天才である。孔子は、コミュニケーション不全が争いの大本であり、不全が起こらないようにコミュニケーションルールを確立させようとしたのが論語である。と、ボクは思ってます。江戸時代に組織論として論語はじめ、朱子学といった形で幕府の学問として採用されたのも、幕府に都合良かった点があるにせよ、為政者にとってのコミュニケーション不全が国家の基盤を揺るがし、戦になることをよく知っていたからたとも言えます。

この本は、漢字の成り立ちから最近話題の技術的特異点シンギュラリティ、AI に至るまで話題が広がりながら、21世紀から見た論語の役割を再定義している本です。少々論理の飛躍かなと思わされる箇所もありますが、博識ならではの雑学が多く、情報量いっぱいの本です。特に漢字の成り立ちについての話が多く、とても面白いです。論語の解釈においても、心という漢字が生まれる前に成立した論語なので、心というものの再定義から始まる仕掛けはとても納得できます。では、いま論語をどのように位置付ければよいかといわれれば、「新たな論語」が必要とされているのかもしれません。

《休暇の読書》

《休暇の読書》
久しぶりの読書。ベーシックインカムがよくわかる「隸続なき道」が面白い。まさかニクソンがやろうとしていたこと、それを阻んだイギリスのスピーナムランド制度など、歴史や実証実験の話もあり、とても分かりやすい。うわさでは、作者はロビストとして意図的に仕掛けているとも言われているが、それも含めて面白い。ソトコトも後で読もう🎵
https://m.facebook.com/bunshun.online/posts/1782833092027698

<お勧めの本>『サピエンス全史』

 人類史を振り返って、文明のこと、これからどう進むべきかを考えるのに、お勧めの本。ちょっと同じことを繰り返しいうところとか、詳しく書いているようで、推論でしかないところも、かなり上巻(どうしてもホモサピエンスの前文明時代のことが内容として多いので)は見受けられますか、歴史を俯瞰した視点を得るには面白いと思います。
https://www.amazon.co.jp/…/B01LW7JZ…/ref=dp-kindle-redirect…

西崎義展『「宇宙戦艦ヤマト」を作った男』

ボクの子供時代に熱狂したアニメの一つが、宇宙戦艦ヤマトであり、

ガンダムであり、のちのエヴァンゲリオンにもつながる、王道のアニメ

だった。

そのヤマトのプロデューサーである西崎氏の生き様を描いた

本。

もうこんな人出てこないだろうな、という人がどんどん亡くなっている。

日本がどん底だった戦後を生き抜いてきた人たちは、やっぱり

面白い。えげつないほど、面白い。

論理と圧倒的な実行力に、虚実と愛人の影。

無菌主義の平成の世には生きにくい人だろうけれども、

こういう昭和な光と影の人物が夜を動かしたんだろうなあと。

好きか嫌いか評価の分かれる人物がぎらつけた時代、

そこにちょっとうらやましさを感じる。

 

そんな本でした。

書評 http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20151014/E1444757153824.html
Wikipedia 西崎氏について

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B4%8E%E7%BE%A9%E5%B1%95

 

 

<本紹介 『学力の経済学』>

8月読んだ本ではヒット中のヒットしました、いい本です。

ボクは社会科教育学を学んだものですが、教育学が経験学であり

科学ではない点については誰もが悩み続けていた点でした。

私の場合は授業論が専門でしたが、教育経済学の知見は

非常に有効なものだと思いました。

著者の中室牧子氏は慶應義塾大学SFC准教授で教育経済学を専門と

されているが、コロンビア大学、世界銀行での経験や数多くの実証研究を

されている。
日本では誰もが教育を受けてきた経験があるので、一億総評論家に

なりやすい。まあ、日本だけではないと思います笑

そうすると、子育てや教育がどうしても個人の経験値に基づくしかなく、
エビデンスに基づかないことが多い。

そこでアメリカで進められている科学的根拠に基いて行われている教育効果の

実験例を多く紹介してくれている。

・学習を促すにあたり「ご褒美」は有効か否か?
・アウトプットとインプットのどちらを褒めると効果的か?
・ご褒美は内的動機を損ねるか?
などなど。

特に教育生産関数という考えが面白く、どれぐらいどの時期に教育投資を行えば

よいのか、収益率(リターンが多いか)で考えるというものだ。

調べていくと、幼児教育に教育投資を行うこと、それも非認知教育とよばれる

しつけや努力といった生活ルールの学びが生涯において有効だという点。

 

本気で幼児教育を考えねばと思います。

 

ぜひご一読を^^

<本紹介>リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください--井上達夫の法哲学入門

20年近く前の大学院時代によみふけった法哲学。

長尾龍一、井上達夫。この二人の本には大変影響を受けた。

特に井上氏の『共生の作法』。

この本は今読んでもおもしろい。

正義や公正といった、社会の基礎となるルールに

どれだけの多くの歴史の重みや営みがあるのか、

とってもおもしろい。

例えば、帝国主義で手に入れた領土を持つA国と、

帝国主義で奪われ小さくなった領土を持つB国。

仮に、この状態で、いまB国がA国に攻め入ったとして

国土を復帰させるのは正義かいなか。

ただの侵略、野蛮な行為でB国をさばけるのか。

こんなケースが次々と出てくる。

井上氏は、9条削除論者であるが、このロジックも

読めば読むほどおもしろく、単なる保守でも、なんでもない。

リベラルであるがゆえに9条を削除したほうがすっきりするという

ロジック。

丁寧にこの本も読んでほしい。

大変おもしろい本です。

 

リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください--井上達夫の法哲学入門

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<本紹介> 『田舎の無名高校から東大、京大にバンバン合格した話―西大和学園の奇跡』

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 関西私学の雄「西大和学園」が中堅私学から トップクラスの

 進学校に生まれ変わる歴史を 理事長の自伝風に描いた本。

 数年前に、実際に西大和学園の校舎を見に行った こともあって、非常におもしろい、です。

*関西での私学事情を知っている方ならわかりますが 偏差値グラフなどはかなり意図的に
関西のライバル校が ぬけ落ちていたり、データがいびつです。
Amazonのレビューがまたおもしろくて。
ボク自身も、とある私学で30歳で改革担当の管理職に なり、若さゆえの暴走もあいまって、
ほかの教師から 総スカンをくらった経験を持っているので、非常に 現場が混乱した様子が
手に取るように共感できました。
学校という特殊な制度の良さもあれば悪いところも あって、こと改革を進めていくには、
非常にやっかい です。 ときには独裁的に、ときには民主的に。 非常に危うい綱渡りを
していかねば、結果を 残すことは不可能ですし、最終的には、資金調達 の戦いにも
なってきます。
西大和学園の実情をなんとなく見聞きしている 方には、いろいろと言いたいこともある
かもしれ ませんが、改革というのは、本当に好き嫌いの分かれる ものだと思います。

<本紹介>『BAKUMAN』集英社

経営を学ぶなら、この漫画を読もう、とオススメしているのが

この漫画。

バクマンの詳細 wiki

若き高校生漫画家志望の二人が、原作と作画に分かれ、

売れる漫画とは何か、面白い漫画とは何かということを身をもって

示しながら少年ジャンプでの生き残りの戦いを描いて、売れっ子漫画家に

なるというお話。

 

これって、売れる漫画の法則をいって実際に売れるというのは

至難のワザ。

手の内をばらしながら、このバクマンは売れてNHKでアニメ化され

今年は実写化もされるという。

 

漫画のところを、成功する起業家に置き換えれば

まったく同じことが言えます。

 

ぜひご一読ください^^

 

 

 

 

 

 

 

<紹介>『現代建築に関する16章』五十嵐太郎 講談社現代新書(2006)

地方創生を考えるうえで、都市計画などに多くの蓄積をもっている

建築理論に興味を持って読んでみました。

Amazonへ

ちょっと門外漢には、いろんな建築系の人物の名前が出てくるので

大変なのですが、どういうことが哲学的に課題となっていて、あがいてきたのか

非常によくわかります。

この本が全体の建築史を哲学的なアプローチで整理することで

おもしろいのに対し、わかりやすいことばで、ばっさばっさ書いてあるのが

 

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隈研吾ほか『新・都市論TOKYO』集英社新書

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少し古い本(2008)ですが、実際の東京の建物を事例に、

好き放題いっているので、おもしろいです。

東京に住んでいる方にはよくわかると思います。

 

 
現代建築に関する16章