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<勉強まとめ②成功事例の模倣戦略について>

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 企業による模倣は普通にありますが、地方創生の文脈だと、模倣戦略は悪玉によくやり玉に挙げられます。

 確かに、道の駅やシェアハウス、ゲストハウスにサテライトオフィスなどなど、成功事例の模倣は枚挙にいとまありません。しかし、企業だと模倣は追試による進化の前段階として見られたり、FC展開として模倣は肯定的に考えられるのに、地方創生では、悪玉になることがほとんどです。代わりに、地方創生ではオンリーワン戦略が必勝の策として語られるわけですが、本当に模倣は悪玉なのでしょうか。

〇いい模倣と悪い模倣
 いい模倣として最もわかりやすいのは科学です。科学は、だれでも、同じ条件で同じ手法なら再現できるものを「科学」と呼びます。ということは、<模倣が前提>です。逆に言えば、模倣できないものは、科学ではありません。
 ということは、街づくりにおいて模倣が悪玉に挙げられるのは、同じ条件も環境もそろっていないのに、結果だけまねるからだと思います。言い換えると、結果だけほしくて、<同じ環境を用意していないのにも関わらず模倣するのが悪>だということです。

 例えば、上勝での葉っぱビジネス、神山でのサテライトオフィス。どれもまねできそうです。しかし、葉っぱの後続ランナーはいません。多くの模倣希望者がいるのにも関わらずにもです。
 ということは、他には用意できてない<葉っぱビジネスのための環境>があるということです。神山のサテライトオフィスは、模倣しているエリアも多くありますが、実際のところ、神山ほどうまくいっている地域はまだ出てきていません。ということは、サテライトオフィスがうまくいくための<環境>があるはずです。
*このうまくいっている環境については、別に譲るとして。

 ということは、街づくりの成功事例の<環境要因>をきちんと分析し、環境をまずは用意しなければ、模倣戦略は、形だけのものになってしまうというのは、当然のことです。

 そういった面で、街づくりをきちんと科学として再現性のあるものとしてできているのならば、ボク自身は、模倣すればよいと思っています。ただし、単なる模倣では集客できないので、何かしらのプラスアルファを加えること。例えば、思い付きですけど、いろいろな焼き物職人を集めた焼き物街(全国のあらゆる焼き物手法が一か所で学べ、そこで新たな焼き物技法が磨かれる)とか、やりようでいくらでもできそうです。

 あと、サテライトオフィスの例でいえば、その真骨頂は、工業団地の工場誘致と違って、「田舎を面白がれる人材が集まった」のであって、家賃が安いからとか、自然がいいから都会のIT系のオフィスが集まったわけではないのです。<東京よりも面白い>から来るわけです。
 ですので、都会のオフィスを持ってくるのを模倣してもダメでして。つまりは面白い人材が面白いと思える街になってなければ、つまらない街にいくら企業がきても、たぶん帰ると思います。
 
 そういった意味では、街づくりの模倣戦略とは、東京よりもおもしろい環境を作るところから始まるような気がします。まあ、それが一番難しいわけですけど、それがオンリーワン戦略の本当の真相だと思います。ただ<そこでだけある産業>じゃなくて、<おもしろい産業>だから人が来るのだとおもいます。

<続く>